まるやま組

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海が見える家
2011/01/13(木) | 学び |Comment
       木の浦

先日、知り合いのYさんの親戚の古い家をたずねました。能登半島の先の方の海から急な崖の上にある集落です。
もう40年近く前に家主は金沢に引き払われた家です。

小高い敷地には雑木に囲まれ、向こうに海が開けています。
母屋と納屋、はなれ、厩などが中庭を囲むようにたっています。
雪の中ひっそりと椿が紅いはなびらを海鳴りにふるわせていました。

今日の目的は厩のなかの昔のトイレ。
下肥をためて春に畑に撒いたと昔の話しに出てくるけれど
実際どんな感じなんでしょうという質問にこたえてYさんが連れてきて下さいました。

           下肥

手前の床の板に右足を置く、左足を置く板はもっと手前なので写真から切れています。
間の隙間に用を足します。床下が槽になっています。天井からはつかまるための縄が垂れていました。
周囲の壁は土壁、床は土間。奥にある三つの樽は槽に溜まったものを長柄のひしゃくで移して下肥を溜めるものです。

長いこと使われてないというのもありますが、不思議と汚いとか不快感があまりありません。
もしこれが、古いビニールクロスや、新建材に汚れがついていたらとっても嫌な感じがするかも知れません。
自然素材であるということは人間を無条件で受け止めてくれる気がします。
下肥は汚物、廃棄物ではなく翌年の畑づくりに欠かせない貴重なものだったのですね。

ここへ来ると博物館や民族史の史料を超えた、人が暮らしていた息づかいを感じます。

          道具

馬を手入れする道具も身近な材料で作られています。牛馬なしには燃料となる木の運び出しなどもできないのです。
          戸板

板戸にチョークでかかれた、初霜の記録。昭和二〇年代の筆跡とは思えないほど鮮明。
自然へのまなざしを感じます。

          かます

むしろやかます、藁細工は冬の間の大事な仕事。むしろ機や縄ない機もありました。
機械と言ってもなんだかユーモラス、からくりに近い感じ。
どこか有機的なフォルムでこのぐらいまでなら機械化も持続可能な暮らしの妨げにならないかなと思ってしまいます。

          藁ない機

石油から作られたものがあまりない暮らしってこういうことかー。こういうものもつくれるんだなー。とおもい目を閉じてそこで家族が寄り集まって暮らしていた頃の風景を想像してしまいました。