まるやま組

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町工場と博士
2012/05/15(火) | 景観 |Comment
この間からまるやま組の植物観察会で伊藤先生とわたしがぶら下げているなにやら大きな缶かん。これは胴籃(どうらん)という植物採集をする時にとった植物を入れて持ち歩くブリキ製の入れ物です。

5:14:6

去年までは集めた植物をビニール袋に入れて持ち歩いていましたが、暑い季節になると傷んだり、しおれたりしてしまいました。そこで昔はどうしていたのかなと考えていて思い出したのがムーミンにでてくるヘムレンさんという植物学者のもっていたバッグがあった事。そこで検索をすると今ではあまり使われず、丈夫なものは作られていないとの事。

めげずに検索を続けるとかの有名な植物学者牧野富太郎博士の愛用していた胴乱の画像が見つかりました。東京の練馬区にある練馬区立牧野記念庭園の展示の箱の中です。

牧野式胴乱

特注と書いてあるから、作れるはず!うちを作る時お願いした板金屋さんにお願いしよう。

さっそく厚かましくも記念館にメールを書いて、胴乱の詳細についてお訪ねすると、即お返事がいただけたのです。それも胴乱を開けたり、裏向けにしたりと詳細の写真を貼付して下さり、そのうえ胴乱について牧野自身が記述した文献のPDF、さらにむかし博士と採集に同行した事のある方の胴乱の作りにまつわるエピソードまで。

文献は『趣味の植物採集』という三省堂から昭和11年に発行されたもの。

5:14:21

13ページから17ページにかけて、胴乱について詳しく書かれている。上野にある上野科学社と言うメーカーに作らせていると書いてあったので検索すると、何とまだそのお店はありました。でも残念ながらもう作ってないそうです。なおさら作らなければと思い。今度は古本屋のサイトで『趣味の植物採集』を検索すると全国で3冊程ヒット。そして何と最安値が金沢の古本屋さんにありました。翌日には私の手元にきていました。

DSC_0367.jpg

輪島の塩山板金さんに写真をメールして、本を手に打ち合わせにいってしばらくして試作品を見に来いと連絡をいただきました。塩山さんの会社では職人魂を持った板金仕事を目指して熱く仕事をしておられるので、冬雪の多い時期仕事の合間に製作していただけることになりました。

能登輪島 塩山板金

構造的には牧野式胴乱にならっていますが、金物のなかった頃の留め金部分やヒンジは当時のままでは耐久性も良くないので丈夫な既製品に変えています。単に復刻を目指しているのでなく使用する為に作ってもらうので。

胴乱5

そして出来たのがこちら。

5:14:3

5:14:2

扉がふたつあるものは小さな草花と長めの草花を入れる為に2室になっています。長手の方の幅がちょうど標本の台紙の大きさA3サイズの長さと同じです。

5:14:1

かくしてまるやま組の植物調査に胴乱がやってきたのです。

5:14:4

5:14:5

連休中にお世話になった練馬区立牧野記念庭園にいきました。

練馬区立牧野記念庭園、生誕150年記念

5:14:25

5:14:24

高知の牧野富太郎記念館の設計者とおなじ内藤さんのすばらしい建物です。

建築家 内藤廣設計 牧野富太郎記念館

学芸員の蔵田さんにお礼をいい、実物の胴乱を見せていただきました。

05:15:6

5:14:23

こんなに辺鄙なところにいるのに、色々な方にお世話になって、またネットと言う今の便利なもののおかげで復刻する事の出来た胴乱。大切に使わせていただいてまるやまの自然の豊かさを伝えていきたいと思います。

05:15:1

郵便局で今発行中の牧野富太郎生誕150周年の記念切手。
うしろにある『趣味の植物採集』の最後にある博士主催の東京植物同好会の規約には、

(二)本會は本會の目的を達せんが為に、毎月第二日曜日に野外採集會を行ひます。
(五)男でも女でも老人でも小児でも、誰でも會員になりたい希望の方は、自分の住所氏名を明記して、本會の事務所にお申し込み下さい。

とあります。何かどこかで聞いた様なフレーズですね。笑