まるやま組

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啓蟄 自然人春号
2012/03/09(金) | 文化 |Comment
おひさしぶりです。ここのところなかなかブログが書けず。。。本来ならばアエノコトの報告を書き連ねたいところですが、あっという間に春近し。校正がすんでいた雑誌がもう手元に届いてしまいました。

自然人春

今号はいきものも動き出す今の季節に合わせてとっても盛りだくさんな内容です。
春の花に、かえるたち本当にきれいな写真もたくさんあり、誌面から春の土のにおいがしてきそうなくらいです。

自然人

私もまるやまで暮らす中で感じたこと等を書かせていただいているのですが、専門家の方が多い中畏れおおくいつも大したことがかけていなく申し訳ないかぎりですが、ご紹介します。

本文中に3月のまるやま組が11日に行う日程となっておりますが残雪がひどく裏山に入れる様子ではないので延期いたします。日程は後日おしらせいたします。


能登の里山で考えた 2012 春号

 『どっちの蛇口を使えばいい?』まるやま組のオープンキッチンで流しに立った人は必ず聞く。うちの台所には蛇口が2つある。1つは輪島市の上水道。河原田川のずっと下流に取水口があり、塩素で殺菌されたお金を払っている水。もう1つは裏山から流れてくる山水、煮炊きに使う美味しい水が無償(ルビ:ただ)。昔から集落の人がまるやまの田畑や山仕事の行き帰りに飲み親しんできた水場である。
 去年の東日本大震災迄はこの山水をごく当り前に使って来た。首都圏のスーパーではペットボトルの水の買い占めや、風評被害も後押しして食の安全がますます取り沙汰されるようになった。安心なものを求めたいのは誰しも同じ。果たして安心はお金でやり取り出来るものなのだろうか?
 ふと、うちの水はどこから来るの?と言う疑問が、今確かめておきたい気持に変わった。気付けば子供達と雪なお残る早春の裏山を歩いていた。 ちょろちょろと谷間のコケに覆われた杉の木の合間を縫って流れる小川。100m程歩くとちいさな壷の様に水が溜まっている。新芽を採れそうなタラの木も生えている。集落の人が手入れして来た道だろうが今は林業も炭焼きも盛んではない。水は途切れたかと思うと暗渠となり、地面に耳をつけると見えない下の世界の音が聞こえる。さらに300m程進むとふたつの尾根がぶつかり扇型に開けた場所に出くわした。そこには直径2mほどの泉が湧いていた。おもわず『うわーっ』と歓声を上げる子ども達。どうやらここが水源地点。このコナラの谷に水が集まって我が家迄下りて来ていたのだ。
 雨が降って山に滲み込み、水が湧いて流れになり海に注ぎ込む理屈は誰もが知っている。でも我が家の子供達は、今度水を口にする時に、この泉から湧き出て落ち葉のトンネルをくぐって、小さな滝壷を通る景色に思い巡らせるだろう。山を下りる途中に瑠璃色のカケスの羽が落ちていた。ウサギの糞はそこいら中にころがり、マンサクも黄色い素朴な花を咲かせていた。どうやら、水は私たちだけのものではないようだ。
 昔、集落の家々は水の出るところに寄り添うように建てたと言う。未だに水が細い所は家が少しだけ、太い所は沢山集まる風景を残している。能登の人は家や土地を先祖から受け継いだものだからと手放さない。親達が身を粉にして関わって来た豊かな里山を孫子の代まで残してやろうという子を思う親の気持だろう。土地は簡単に切り売り出来る不動産でもなければ、森はカーボンオフセットの道具でもなかった。今年の3月11日もまるやま組は小さな水源地を辿る。